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重要文化財「吉島家住宅」の再生と分析 -吉島家住宅固有の空間を利用した展示施設の設計

本提案は、「吉島家住宅」の再生を行い、再生した空間の分析、分析から得られた「空間の特徴」を用いた設計をすることで、町家の再生手法
を提案するものである。
【背景・目的】
飛騨高山に建つ「吉島家住宅」は、民家建築の最高峰とも言われ、現存する本屋、中庭、文庫蔵は国の重要文化財として指定されている。一方、その約 3/5 は財政難により既に失われており、現在では市営の駐車場となっている。そして、そこには現存する建築とは全く異なる空間が存在していた。本提案では、大正 11 年時の吉島家住宅を再生し、その空間の特徴について考察する。そして、その特徴を活かした設計を行なうことにより、町家再生の可能性について検討する。
【調査・分析】
再生については、2019 年より研究室の活動として取り組んでおり、「吉島家住宅」の規模が最大であった「大正 11 年時の吉島家住宅」を再生の対象とし、文献、実測、現当主への聴取を行い、模型、図面集、3D モデルを作成した。そして、本提案では再生した空間を 6 つに分類し、分類した空間ごとの分析、分析から空間の特徴的な要素を抽出した。
【提案】
敷地の現状によって敷地の区分を行い、区分された範囲ごとに方針を決め設計した。蔵の基本的な構造や、配置を可能な限り当時の状態にし、酒造のための空間を展示空間へと転用した他、貯蔵・搬入の場であった裏庭部分は、地域住民や大工も利用できる場として、当時とは一部異なる形態にした.

DATA

  • Category
  • Age
  • Design
  • Master
  • 2022
  • 杉村和紀