BACK

ARCHIVE

わがスーパースターの家

私の家族の為の家を考えた。
スーパースター。それは紛れもなく私の父であり、彼は音楽家である。 「スーパースター」とは、人によって偶像化された虚構の人物像なのではないだろうか。私にとっての父はいつも何気なく空気のようにそこに居て、母には煙たがられ、ペットの犬に吠えられるような人だ。そんな父がある一時だけ私たちのスターになる時がある。それは私たちの生活の中に父の音楽が流れる時だった。そんな私の「家」において度々たち現れる、最も家族らしく、それでいて非日常な、まるで虚構のような瞬間。その瞬間を捕まえるために父、そして私たちの為の家を提案したいと思った。
家は三つの部分から成っており、中心に父の家、その周囲に私と母の家を配したシェアハウスである。それらは音や、光を透過しながら空気を含む壁により完全に分断されることなく繋がれ、新しいワンルームを作り出す。この「家」で私たちは自己をより私化しながら、本当の「家族」という行為を音により明確に意識する。

DATA

  • Category
  • Age
  • Design
  • Diploma
  • 2010
  • 石原 愛美