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ゼミ旅行2017

REPORT

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  • Published
  • Category
  • 寳迫嘉乃
  • 2017.10.30
  • ゼミ旅行

 

佐藤光彦研究室のゼミ合宿の魅力は、見学する建築にある。教授・佐藤光彦の目利きのもと選ばれた古建築から現代建築まで全て味わうことができる。故にゼミ生だけではなくOBOGや他研究室からもこぞって参加するのは様々な知見が聞けておもしろい。特に今回のゼミ合宿はマニアックな建築も多く、帰ったら自慢したくなるような非常に刺激的で楽しい思い出ばかりであった。

1-2日目

最初は韓国の安東地方を訪れる。韓国といえば発展途上国で近未来的なイメージがあったが、地方では未だに昔の生活風景が垣間見える。最初に訪れた「浮石寺」は、そのような生活と寄り添うように、建築がランドスケープに馴染みながら悠然と佇んでいた。韓国の古建築は建築と自然を一体化させるような柱割や建物配置となっており、2日目に訪れた陶山書院や屏山書院などの書院建築では、借景と呼ばれる柱と柱から見える景色に圧倒された。

3-4日目

3日目はソウルの建築を巡る。一番印象に残ったのは韓国の建築家・キムスグンによる「空間社屋」。かつて建築事務所であったが現在は美術館として改修されている。レンガとコンクリートによる肌理の違い、レベル差による空間の差異をうまく美術館としてリノベーションし、現在にも息づく建築の使われ方をしている。最後はザハ・ハディドによる「東大門デザインプラザ」。ファサードの外装パネルに近寄り、納まりを手で確認するあやしい研究生達。内部へ入るとザハのデコンストラクティビズムを体感することとなる。巨大建築にもかかわらずデティールはものすごく細やかでしっかり作り込まれていてとても美しい建築だった。

どの建築も日本では体感することのない刺激的な建築ばかりであった。最終日の夜、韓国の辛さが尋常でない料理に皆で奮闘したのも刺激的な良い思い出である。